横浜市旭区民文化センター「サンハート」スタッフによるブログです。

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2013年9月29日日曜日

芸術の秋@サンハート




こんにちは
サンハートスタッフのみゆみゆです(^^)



先日の「オペラ&オペレッタ・ガラ・コンサート」、
たくさんのお客様にお越しいただきました♪

ご来場いただいたみなさま、ありがとうございましたっ!!




ですがまだまだ
サンハートの芸術の秋は終わりませんよo(゜▽゜)o!



秋も深まる今日この頃、
サンハート主催の10月のイベントについてご紹介いたします♪






まずは10月5日(土)!もうすぐ!


二俣川駅改札前にて、駅コンサートを行いますo(゜▽゜)o!


毎回ご好評いただいている「駅deライブ」シリーズ、
第5回目となる今回のテーマは、ジャズです。




「JAZZ」です(少し発音よく。)





演奏していただくのは、この夏「旭ジャズまつり」にもご出演されていました
「BIEN WHO?(ビエン フウ)」さん。

スタンダードなジャズの曲にオリジナリティ溢れるアレンジを加え、
人気を博しているバンドです!



サックス、トロンボーン、ギター、ピアノ、ベース、ドラム、パーカッションという豪華な編成に、
しっとりと響く女性ヴォーカルが加わり、深まる秋にピッタリな音楽をお届けします♪


駅構内での演奏なので、お席は限られてしまいますが。。。

皆さまどうぞ足をお運びください!

詳細はこちら!→http://sunheart-eventguide.blogspot.jp/2013/08/de-vol5.html




続いてご紹介しますのは、

10月14日(月・祝)
「親子で楽しむ音楽会2013 にしもとりえ えほんコンサート」です(^^)



「親子で楽しむ」の名の通り、
普段なかなか演奏会に参加できない、小さいお子様と
そのご家族に向けたコンサートです♪

11時からと13時からの2回公演で、
11時からは0歳~2歳くらいのお子様向け、13時からは3歳~5歳くらいの
お子様向けとなっております☆



どちらも、ピアニストの西本梨江さんによる
ピアノ演奏と、

塚本拓美さんによる絵本の朗読の2本立てで、

音楽とおはなしの両方をお楽しみいただけます(^▽^)


ぜひご家族みんなで
サンハートにお越しください♪


詳細はこちら!→http://sunheart-eventguide.blogspot.jp/2013/08/blog-post.html


それでは皆さま、
芸術にスポーツに食べ物に!!

素敵な秋をお過ごしください~( ・▽・)ノ







サンハートスタッフ
みゆみゆ






 

2013年9月20日金曜日

華麗なるオペラの世界 ~3分で分かる!「こうもり」~



こんにちは、
サンハートスタッフのみゆみゆです(^^)



ほとんど私の趣味で楽しく書かせていただきました「3分で分かるオペラシリーズ」
今回で最後となります!お付き合いいただいたみなさま、ありがとうございました!



最後にご紹介させていただく作品は、
ヨハン・シュトラウス2世作曲のオペレッタ《こうもり》です♪


前回までの演目、
《カルメン》、《蝶々夫人》、《トゥーランドット》は「オペラ」でしたが、
《こうもり》は「オペレッタ」といわれる作品です。


日本語にすると、
「オペラ」は『歌劇』、「オペレッタ」は『喜歌劇』となり、
文字通り、オペラよりも笑いの要素が強いもののことを指すんですよ(^▽^)



つまり、やっと誰も死なない作品を
ご紹介できるわけです!!!(喜)



それではあらすじをご紹介します♪




♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


舞台は19世紀後半のオーストリア。
華やかな貴族たちの世界のお話です。




銀行家で、男爵の地位についているアイゼンシュタインは、
役人を殴ってしまった罪で、数日間の禁固刑が決まっていました。


これも弁護士の腕が悪いせいだと憤慨するアイゼンシュタインに、
知人のファルケ博士が舞踏会の誘いにやってきます。

「牢屋に入る前に、可愛い女の子がたくさん集まる舞踏会でぱーっとやろう」
というファルケの誘いに喜ぶアイゼンシュタイン。
妻のロザリンデには刑務所に行くといいながら、おしゃれをして出かけます。


何かおかしいわと思うロザリンデに、小間使いのアデーレが、今夜は暇が欲しいと言ってきました。
実はアデーレも、姉から、同じ舞踏会への誘いを受けていたのです。




アデーレに暇を与えたロザリンデが家に招き入れたのは、
元恋人で、今もなおロザリンデに想いを寄せているアルフレードでした。

夫がいるものの、まんざらではなかったロザリンデは、
アルフレードと夫婦の真似事をしながら食事を楽しみます。



そこへ刑務所長のフランクが、アイゼンシュタインを連行しにやってきます。
浮気がばれるとまずいと思ったロザリンデは、アルフレードを夫に仕立て上げ、
アルフレード本人もそれを承諾し、連行されてしまうのでした。。。









一方、舞踏会の会場であるオルロフスキー公爵邸には、
フランス人の侯爵に扮したアイゼンシュタイン、

ロザリンデのドレスを身にまとい、女優オルガを名乗るアデーレ、

更には、
フランス人に変装したフランクと、

仮面をかぶってハンガリーの伯爵夫人を名乗るロザリンデもやってきました。






さてさて、この奇妙なパーティー、実は裏で糸を引いている人物が。。。



ファルケ博士は、3年前にアイゼンシュタインと参加した仮面舞踏会で、
こうもりの仮装をしたまま酔っぱらってしまい、森に置き去りにされたあげく、
翌日日が高くなってから帰宅したため、近所の子どもたちから「こうもり博士」
と馬鹿にされた経験をしていました。

今宵彼は、その時の復讐をアイゼンシュタインに果たすべく、
こうして皆をパーティーに呼び出したのです。


オルロフスキーがつまらなそうに、
「なんだか退屈だな。。何か面白いことはないものか。」と呟くと、ファルケはこう答えました。


「ご心配なく。今夜は”こうもりの復讐”という余興をご用意してありますから!」








そんなこととはつゆ知らず、盛り上がる舞踏会。

アイゼンシュタインは、紹介された女優オルガを見て、
「うちの小間使いにそっくりだ」とこぼします。


オルガこと、小間使いのアデーレは、なんて失礼なことをいうのかしらと、
アイゼンシュタインを小馬鹿にしながら、
「侯爵さま、何をおっしゃるの?こんなに細い指で、美しい足をしていて、
優雅で気品のある小間使いがどこにいるのかしら?あぁ、おかしい!」
と、「私の侯爵さま」を高らかに歌い上げるのでした。



次にアイゼンシュタインが目をとめたのは、仮面をつけた
美しいハンガリーの伯爵夫人。

そう、彼自身の妻、ロザリンデです。



アイゼンシュタインに口説かれたロザリンデは、
浮気の証拠を得るため、伯爵夫人の演技を続け、
愛の証にと、彼の懐中時計を手に入れたのでした。



夜も更けた頃、舞踏会が終わると、
別人の仮面を被った登場人物たちは、それぞれ本当の自分に戻ってゆきます。






アイゼンシュタインが刑務所に行くと、
自分が入るはずの牢屋には別の男が既に入っており、
どうやら妻は自分がいない間にこの男と会っていたらしいと感づきます。

様子を窺うため、弁護士の変装をしていると、やはりロザリンデが駆け込んできて、
その男はアイゼンシュタインではないので釈放してほしいと訴えてきました。



怒ったアイゼンシュタインは変装を解き、
妻の浮気を責めますが、ロザリンデから昨夜の懐中時計を見せられ、
何も言えなくなってしまうのでした。





ここで仕掛け人が登場します。
(現代版だったら「どっきり大成功」パネルを手にしてそうですよね。)




ファルケ博士は皆の前で、
昨夜のパーティーはアイゼンシュタインに一杯食わせるために、
自分が仕組んだものだった

これこそ、喜劇”こうもりの復讐”です。

と告げました。



妻の浮気も芝居だったのかと安心するアイゼンシュタイン、
「ほんとは少し違うけど。。」と苦笑いのアルフレードとロザリンデ、

そして、自分は小間使いだが、女優になるためにパトロンになってほしいと
オルロフスキーに頼み込んだアデーレと、それを了承したオルロフスキー。

一同は、
「舞踏会での出来事は、すべてシャンパンの泡のせい。
シャンパンが少しだけ、悪酔いさせたんだ。」
と歌い、

華やかで明るい雰囲気のまま幕は閉じます。



♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪



「ワルツ王」と呼ばれたシュトラウスの作品の中でも、特に人気の高い《こうもり》は
優雅で華やかな序曲から始まり、

ソリストたちの素晴らしい歌声を聴かせる、幅広い種類の音楽が満載ですo(゜▽゜)o!



アデーレの「私の侯爵さま」の他にも、

オルロフスキー公爵が舞踏会で皆に歌う、「私はお客を呼ぶのが好き」、
アイゼンシュタインが変装した妻を口説く時の「あの優雅な物腰」、
ロザリンデがハンガリー人を演じるために母国の歌として歌う「チャルダッシュ」、
などなど。。。


耳に心地よい音楽ばかりで、美しくはじけるシャンパンの泡のように、
楽しくてほろ酔いな気分にさせてくれる作品です♪



やんちゃな小間使いアデーレの、
明るくて少しコミカルな歌声を聴きに、
ぜひぜひ、オペラ&オペレッタ ガラ・コンサートにお越しくださいね♪



皆さまのご来場、
心よりお待ちしております\(^0^)/



「オペラ&オペレッタ ガラ・コンサート」
詳しくはこちら!→ http://sunheart-eventguide.blogspot.jp/2013/05/blog-post.html



サンハートスタッフ
みゆみゆ








 

2013年9月18日水曜日

華麗なるオペラの世界 ~3分で分かる!「トゥーランドット」~




こんにちは!
サンハートスタッフのみゆみゆです(^^)




前回、前々回に引き続き、9月23日(月・祝)のオペラ&オペレッタガラコンサート
第2部に演奏される曲目に関連するオペラをご紹介したいと思います♪


第3弾は、オペラ《トゥーランドット》です。


2006年、荒川静香選手がオリンピックで使用したことで大変有名になったこのオペラ。

作曲者は前回の《蝶々夫人》と同じく、ジャコモ・プッチーニです。
しかし残念なことにプッチーニは、このオペラを作曲中に体調を崩し、
最後まで書き終えないまま、作品よりも一足早くその人生の幕を閉じてしまいました。

プッチーニ亡きあとは弟子のフランコ・アルファーノが作曲を引継ぎ、
現在私たちが知っているトゥーランドットが完成したのです。




♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪




舞台は、いつとも知れない中国・北京。

その国の姫、トゥーランドットは、この世のものとは思えない美貌の持ち主であり、
同時に氷のような冷え切った心の持ち主でした。


姫は自分に求婚してきた男性に3つの謎を出し、
それを解くことができた者を自分の夫にする、
しかし、答えることができなかった者には、死刑を処するという掟を出していました。


今日もまた、謎解きに答えられなかったペルシャの王子が処刑されるとのこと。。
宮殿の前には、処刑の様子を一目見ようと大勢の民衆が集まっています。



人ごみの中で、1人の盲目の老人が倒れます。
実はこの老人は、召使のリューという娘と共に放浪している
国を追われたダッタン国の元国王、ティムールであり、
更に、倒れたティムールに手を貸したのは、生き別れになった彼の息子、カラフでした。

偶然の再会に、カラフに秘かに恋心を抱いていたリューを含めた3人は喜びます。



その時、宮殿からトゥーランドット姫と大臣たちが現れ、民たちに処刑の開始を告げました。


処刑場に連れてこられたペルシャの王子をあわれに思い、
民衆たちは姫に情けを乞いますが、
トゥーランドットは無言でそれを却下し、刑を実行させました。





憐みの心を持たない、しかし絶世の美しさを持ち合わせる姫の姿を見たカラフは、
一瞬で恋に落ちてしまいました。


「私は彼女に結婚を申し込むため、彼女の謎解きを受けたい!」



命を無駄にするのはやめろと、
ティムールと、リューが引き止めますが、カラフは自分の勝利を信じ、
求婚を申し込むための銅鑼を鳴らしてしまうのでした。






謎解きの儀式の準備が整うと、トーゥランドット姫と、その父である皇帝アルトゥーム、
そして挑戦者のカラフが現れます。

トゥーランドットは、自分が次々と男を処刑することについて、
「かつてこの国の高貴なロウ・リン姫は、異国から来た男に騙されひどい目にあわされた。
私がこのような行為を行うのは、世の男たちに彼女の復讐をするためだ。」
と語ります。



いよいよ問題が出される時。

第1問、「毎夜生まれて、明け方に消えるものは?」――「それは希望」

カラフは最初の問いに正解しました。

第2問、「炎のように赤くて熱いが、火ではないものは?」――「それは血潮」

これにも答えます。
そして最後の問い

第3問、「氷のごとく冷たいが、火をつけるものは?」――「それは…トゥーランドット!!」










ピンポンピンポーン!!!
(という音は鳴らなかったと思いますが)




カラフは見事、トゥーランドットの出した3つの問いに答えたのでした。

これで姫と結婚できる…!
カラフが思ったのもつかの間。トゥーランドットは結婚を渋ります。


「誓約というのは神聖なものだ。自分が言い出したことは守らなければならない。」
という父アルトゥームの言葉にも耳を貸さない姫に、カラフはチャンスを与えます。


「それではこういうのはどうだろう?あなたはまだ私の名を知らない。
この国にも、私の名を知る者はいないが、夜明けまでにあなたが私の名を知ることができたら、
あなたの望み通り、私は処刑されよう」

カラフとの結婚を避けたい姫は、この条件を受け入れ、
あの異邦人の名前が分らなかった場合、国民全員を死刑にするとまで宣言しました。





「あの男の名が分かるまで、誰も寝てはならぬ!」
姫の命令を国民に通達する役人の叫び声が響く中、自信の勝利を確信していたカラフは、
あの名曲、「誰も寝てはならぬ」を歌います。

姫に対する愛と、勝利への自信に充ちた、大変壮大な曲ですよね!





そんな中、昼にカラフと話していたという理由で、
ティムールとリューが拘束されてしまいます。


ティムールをかばい、自分だけがあの男の名を知っていると言い張ったリューは
ひどい拷問にあいますが、決して口を割ろうとはしませんでした。

そして、トゥーランドットに向かい、あの方の愛に触れればあなたの氷の心も
きっと溶けるでしょうと告げると、近くにいた兵士の短刀で自らの命を絶ったのでした。




その場にいた誰もが、リューの尊い死を嘆き、悲しみ、
そしてトゥーランドットもまた、自分の心の変化を感じていました。


トゥーランドットの氷の心が溶けかかっているのを感じたカラフは、
彼女を強く抱きしめ、口づけをし、自ら名前を名乗ります。



その瞬間トゥーランドットは愛の尊さに気づき、
国民の前に姿を現すと、
「この者の名前が分かった!それは愛!!」
と叫びました。




国民たちは、トゥーランドットが真実の愛を知ったことに歓喜し、
喜びの合唱と共に幕は閉じます。




♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪



この作品には「トゥーランドット」と「リュー」という
対極の位置にある2人の女性が登場しますね。

トゥーランドットが氷ならリューは炎とでもいいますか、
この2人は、歌うアリアも対照的です。

ちなみにプッチーニはリューのような女性が好みだったそうですよ!
(プッチーニに限らず世の中の男性はそうかもしれませんが…)



しかし何と言ってもこの作品で聴きどころのアリアといえば
カラフが歌う「誰も寝てはならぬ」ですよね!


迫力ある歌声を美しい旋律に乗せて歌われるこの曲は、
まさに圧巻です!


サンハートのガラ・コンサートでも
演奏されますので、ぜひ足をお運びください(^^)!








2013年9月4日水曜日

華麗なるオペラの世界 ~3分で分かる!「蝶々夫人」~



こんにちは、
サンハートスタッフのみゆみゆです(^^)




前回は「カルメン」という、自由を愛し、
情熱的で魅惑的な女性が主人公のオペラについて書かせていただきました!


今回はカルメンとは打って変わって、
とても純粋で一途な、大和撫子が主役のオペラをご紹介します♪
(毎回カルメンのような女性ばかりじゃハラハラしちゃいますよね)




♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪




第2回目のテーマは、ジャコモ・プッチーニ作曲《蝶々夫人》です!


言わずと知れた、日本を題材にしたこのオペラ。
カルメンと同様、作曲者は舞台となった国を訪れたことがなく、プッチーニは当時、
日本大使館の方に頻繁にお話を聞きに行ったり、日本の音楽を研究したりと、
あらゆる勉強をしたそうですよ(゜0゜)





舞台は1895年頃の日本・長崎。

アメリカ海軍士官のピンカートンが、日本人の結婚仲介人、ゴローの斡旋により
蝶々さんという女性を現地妻として迎えます。

「恋なんて所詮ひと時のもの。異国の地でも、その一瞬を楽しむのがアメリカ男だぜ♪」

なんてことを言うピンカートンを、アメリカ領事のシャープレスが「いつか悔いることになるぞ」と
咎めますが、当の本人はまったく気にしていない様子。。



そんなやり取りをしていると、蝶々さんが親族と共にやってきます。



蝶々さんはピンカートンに、自分の父は武士だったものの、家は没落し、
自分は芸者に身を落としてしまったこと、しかしあなたというお方に選ばれ、
大変幸せ者だということ、さらにピンカートンの信ずるものを自分もともにしたいので、
キリスト教へ改宗したということを伝えます。

そして「これは父が切腹に使ったもの。『恥に生きるより、名誉を持って死すべき』というのが、武士であった父の教えでした。」と、持ってきた短刀を見せます。。




結婚の儀式が終わりを迎えたころ、蝶々さんの叔父である僧侶のボンゾが、
その場に乗り込み、彼女の改宗に激昂しました。

他の親族たちもそれを聞き、なんて罰当たりなんだ、
もう縁切りだと、蝶々さんのもとを去っていきます。





嘆き悲しむ蝶々さんを優しくなぐさめたのは夫のピンカートン。
もう蝶々さんが頼りにできるのは、彼だけでした。








2人が結ばれてから3年後――
結婚してすぐに日本での任務を終え、アメリカに帰ってしまったピンカートンを
蝶々さんは毎日待ち続けています。


「旦那さま、もう帰ってこない気なんじゃないですか?」
健気すぎる彼女を見かねて、女中のスズキは言います。


「いいえ、あの人は帰ってくるわ。ある晴れた日に、きっと帰ってくる。」
ここで歌われるのが、このオペラの代名詞とも言える名曲「ある晴れた日に」です。

この曲、スズキに向けて歌っているように見えて、
同時に蝶々さんが自分自身に言い聞かせているんですよね。せつない(;_;)。。。



そんな折、シャープレスが、ピンカートンから蝶々さんへの手紙を持って現れます。
ピンカートンは本国でアメリカ人の女性と結婚し、蝶々さんの元へ帰ることはない、
という内容の手紙を読んで聞かせなければいけないのですが、
彼からの手紙に無邪気に喜ぶ蝶々さんの姿を見ると、言い出すことはできません。


ゴローから紹介された、ヤマドリ公という金持ちからの求婚にも
一切取り合わない蝶々さん。

シャープレスは、もし夫が帰ってこなければどうするつもりかと問います。


「その時は芸者に戻るか死ぬかしか道はありません。
 しかし、芸者に戻り、我が子の恥になるよりだったら、私は死を選ぶでしょう。」

実は蝶々さんとピンカートンの間には、3歳になる子どもがいたのです。。





シャープレスがえも言われぬ気持ちで蝶々さんのもとを去って行った時、
海から、アメリカの軍艦が入港する合図の砲声が鳴り響きました。
ピンカートンの乗る軍艦を確認した蝶々さんは喜びます。



部屋中に庭の花を敷き詰め、子どもに盛装をさせ、
ピンカートンの帰りを今か今かと待ちわびる蝶々さん。
しかし一晩たっても、夫が帰ってくることはありませんでした。






寝ずに夫を待ち続け憔悴しきった蝶々さんに、女中のスズキは休むようにと伝えます。

程なくして、現在の妻であるケイトと共に現れたピンカートンは、
スズキから蝶々さんの様子を聞き、後悔の念に駆られ、
いたたまれなくなってその場を去っていきました。



ピンカートンに会えると思い皆の前に現れた蝶々さんは、
目の前の状況とアメリカ人女性を見て、すべてを悟った上で、礼儀正しくケイトに挨拶をしました。


「子どもを渡してくれれば、ピンカートン夫妻が大切に養育してくれるそうだ」
というシャープレスの言葉に、絶望を感じながらも了承する蝶々さん。


しばらく一人になりたいと部屋にこもり、
父の形見である短刀を取り出します。




何も分からず駆け込んできた我が子を強く抱きしめると、
目隠しをさせ、アメリカの国旗を持たせました。

そして父の教え通り、自らの喉に短刀を向けたのでした。





ピンカートンとシャープレスが駆けつけた時すでに遅く、
名誉のために命を絶った女性の物語は幕を閉じます。





♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪



「ある晴れた日に、海から一筋の煙が見えて、
 あの人の船が港に着くわ。

 そして丘を登ってこちらにやってきて、遠くから
 『蝶々さん』と私を呼ぶの」



蝶々夫人の最も有名で美しく、そして悲しいアリア
「ある晴れた日に」の歌詞の一部です。


愛する夫のことを信じることしかできない蝶々さんの空想が歌われています。

希望に満ちた歌詞であるだけに、せつなくなってしまいますよね(. . )…



この曲も9月23日のガラ・コンサートで取り上げられます!


オペラのシーンを思い浮かべながら、蝶々夫人の世界観に浸ってみてくださいね!





サンハートスタッフ
みゆみゆ




2013年9月1日日曜日

華麗なるオペラの世界 ~3分で分かる!「カルメン」~



こんにちは
サンハートスタッフのみゆみゆです(^^)



以前ブログでご紹介させていただいた、
サンハート主催の「オペラ&オペレッタ ガラ・コンサート」。
今回からはそれに関連して、
このコンサートで演奏される曲目が使用されているオペラについて
書かせていただこうと思います!!


題して「3分で分かるオペラシリーズ」!!



この上ないほど豪華で華やかな世界観、
そして、体全体が震えるような名曲の数々によって、
時には笑いを、時には感動を私たちに提供してくれるオペラですが、
日本ではまだまだお高いイメージが根付いている様子、、、
身近なものに感じられない方も多いのではないでしょうか(> <)



このシリーズでは、ガラ・コンサートの際、皆さまに
曲に込められた感情をより感じていただき、作品の世界をより味わっていただきたいと思い、

題材となっているオペラのストーリーを、さっくりとですがご紹介させていただきます☆




♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


第1回目はジョルジュ・ビゼー作曲《カルメン》です。

この作品の舞台は1820年ころのスペイン、セヴィリャ。
しかしフランス人の作曲家ビゼーは、一度もスペインを訪れたことはなかったそうです。
文献などを参考に「スペインってこんな感じかな?」なんて考えながら作曲したのでしょうか?

ちなみに言語もフランス語ですよ(^^)



その町のタバコ工場には、大変魅惑的な「カルメン」というジプシーの女性が働いていました。

町の男性も衛兵たちも、みんなカルメンに夢中です。

しかし1人だけカルメンに振り向かない男性が…。衛兵の1人、ドン・ホセです。
実はホセには、故郷にミカエラという若い婚約者がいるのです。


男たちに囲まれながら

「恋は野の鳥のように自由で気まぐれなもの、ルールなんて知らないわ。
もしあたしに惚れられたら用心してね。」と歌うカルメン。

(これが今回のガラ・コンサートでも歌われる、あの有名な「ハバネラ」ですね!)


自分の胸に飾ってあったバラの花を、1人だけ自分に目をくれないホセに投げつけたのでした。




女工たちが仕事に戻った後、カルメンは同僚の1人ともめ事を起こし、
彼女に暴力をふるってしまいます。

すぐさまホセと彼の上官が駆けつけ、カルメンは捕らえられてしまいました。

しかしカルメンにまったく動揺は見られません。
それどころかホセを「セビリャの砦の近くの酒場へ一緒に行きましょうよ。」などと誘惑し、
縄を緩めさせ、あっさり逃亡してしまうのでした。



カルメンを逃がした罪により、短期ながらも牢屋に入れられてしまったホセですが、
すっかりカルメンの魅力のとりこになってしまい、日に日に彼女への想いを募らせていきます。



1か月後、パスティアの酒場では、カルメンと、彼女の仲間たちである密輸グループ、
そして村人や衛兵たちが、音楽に合わせて陽気に盛り上がっています。
そこに、偉大な闘牛士のエスカミーリョも、彼をほめたたえる大衆たちと共に加わります。
(エスカミーリョが歌う「闘牛士の歌」も、とても有名で男らしく、かっこいい曲ですよね!)



酒場の盛り上がりが一段落し、皆が帰った頃、カルメンの前に現れたのは釈放されたホセでした。

彼女からもらった花を片手に、
「お前が投げたこの花の香りに、牢の中でも酔いしれていた。私の心はすっかりお前のとりこだ!」
と歌うホセ。(「花の歌」)
彼のことが気がかりだったカルメンも喜びます。

兵笛を聞き、もう帰らなければというホセに対しカルメンは、
「私のことを愛しているなら兵隊を辞めて、一緒に来てよ」などといい、彼を困惑させます。。




数日後、そこには密輸グループに混ざって犯罪を働かんとするホセの姿が…
どうしてもカルメンの魅力には勝てなかったようですね。

しかし元衛兵であるホセにとって、完全に犯罪者の道を歩むのは無理な話。
仲間たちに馴染めずにいるホセにカルメンは、
「つまらない男!」とでもいうように、だんだんと愛想をつかしてゆきます。



そんな中彼らの前に、
ホセの婚約者であるミカエラと、カルメンの魅力に惹きつけられたエスカミーリョが現れました。


カルメンへの愛を語るエスカミーリョに怒り狂うホセですが、
「お母様が危篤です。一緒に故郷に帰りましょう。」とミカエラに言われてしまえば、
愛する母のため、帰らないわけにはいきません。

「絶対に戻ってくるからな!」

ホセは後ろ髪をひかれる思いで、カルメンのもとを後にします。。





そしてさらに数か月後――
カルメンが新恋人のエスカミーリョを応援しようと闘牛場へ来ると、
ホセが待ち伏せしています。
もう一度やり直してくれと懇願するホセをカルメンは一蹴。。

「あなたが私の気持ちを取り戻すことはないわ。気に食わないなら殺せばいいじゃない。
自由に生きられないなら、死んだ方がマシよ!」

(…なんてたくましい女性なんでしょう。)



カルメンは、逆上したホセに胸を刺され、
愛するエスカミーリョが活躍する闘牛場の前で命を落とします。



「なんてことだ!カルメン!!俺がやったんだ!誰か、俺を捕らえてくれ!!」
彼女を抱き抱え、泣き叫ぶホセと共に、幕が下ります。



♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪



いやー激しいですカルメン。


「なんて悪い女なんだ!」と言われてしまえばそれまでですが、
誰よりも美しく、情熱的で気高く、そして自由を愛した彼女の姿は
女性から見ても大変魅力的に映るのではないでしょうか?


そんな彼女を象徴する名曲「ハバネラ」。

サンハートのガラ・コンサートでの演奏も、会場全体を魅了すること間違いなしです!


以上、ビゼー作曲によるオペラ《カルメン》のご紹介をさせていただきました( ^-^)ノ





みゆみゆ